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22歳でミセスコンテストに挑戦したバレエダンサーの夢 「いくつになっても美しい女性を増やしたい」

2021.05.20

2021.06.12

22歳でミセスコンテストに挑戦したバレエダンサーの夢 「いくつになっても美しい女性を増やしたい」

可憐な容姿に、ほっそりとした無駄のないスタイル。幼少期からバレエをたしなみ、地元の大分県でバレエスタジオを運営する武生玲奈(たけお・れいな)さんは、22歳という若さでミセスコンテストに出場した。ディレクターとしてミスコン現場にかかわる筆者がミスコン出場者の葛藤と成長をお届けする連載、今回の主役は彼女。バレエ仕込みの表現力を武器に20代部門のグランプリを獲得した玲奈さんが今思うこと、そしてこれから成し遂げたい夢とは。

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20代でミセスコンテストに挑戦することの意味

▲コンテストという未知の舞台に立つのが楽しみだったという玲奈さん

「小さいころからバレエが大好きで。自分を表現すること、舞台に立つことには慣れていました。でも、コンテストとなるとまったく新しいチャレンジ。どんなことを表現できるんだろう、どんな自分になれるんだろうって、ワクワクが止まりませんでした」

玲奈さんはキラキラとした目で、そう語ってくれた。幼少のころからバレエをたしなみ、17歳で3年間のイギリス留学を経験した彼女。バレエに長ける一方で英検1級の実力をもち、現在は地元の大分県でバレエと英会話を教える教室を主宰している。

玲奈さんがミセスのためのコンテストであるミセス・インターナショナル/ミズ・ファビュラスに出会ったきっかけは、留学の準備としてピラティスを習っていたころの先生からの紹介だった。留学から帰ってきたばかりで、前向きな気持ちになっていた玲奈さん。また新しい挑戦をしてみようと、20代部門のあるミズ・ファビュラスへのエントリーを決めたという。

「『“また次回”なんて絶対にやってこない』――これは尊敬するウォーキング講師で、コンテストの準備でもお世話になったスティーブンの言葉。未知のことに出会うたびに、自分に言い聞かせています。今回のコンテストもそう。一歩踏み出した人にだけ見える景色があるって、身をもって感じました」

22歳、ミセスというにはあまりにも若くして出場した玲奈さん。実際に彼女は、2020年の最年少出場者となった。周りはみんな年上で、母親ほども年の離れた出場者と接することもあった。彼女にとってはそれが大きな学びであり、同コンテストの魅力だったのだという。

「ミズ・ファビュラスを通して出会った年上の女性たちは、みなさん本当に素敵で。いくつになっても自分らしく輝いておられる姿を見て、歳を重ねるって素敵なことなんだと心から思えました。私も20年後、30年後にはそうなっていたいし、そんな女性をふやすために活動していきたい。そう思うようになりました」

“ただ歩く”難しさ バレエとは違うミスコンの舞台

▲日常の所作から徹底的に見直し、ステージに挑んだ

エントリーを終えた玲奈さんがまずはじめたのは、日常の所作を見直すことだった。ステージではすべてが出る――彼女はそう考えている。上辺だけを取り繕っても、舞台に立てば全部見透かされてしまう。歩き方から話し方、表情、身だしなみ……過去の大会の動画や写真を見て、コンテスタントたちの所作を研究しつくした。いつ、誰に見られてもいいように。玲奈さんは大会への日々を、そんな緊張感のなかで過ごしていた。

「 “ただ歩く”ことって、本当にむずかしいんですね。 踊っているときとは感覚も魅せ方も違うし、シンプルなぶん、ふだんの生活が垣間見える動作だと思うんです。他のコンテスタントの方々をお手本にしつつ、私らしさも出したい。そう考えて、試行錯誤を重ねました」

食品や日用品には、できるだけ添加物を使っていないもの、環境にやさしいものを取り入れる。そうすることで、身体や肌の調子が安定し、舞台でありのままの自分を出せる気がした。何かを買うことは、未来を選ぶことでもある。単に安いものを買うよりも、誠実に商品をつくる人や会社を応援して明るい未来をつくりたいと、玲奈さんは考えている。

ミズ・ファビュラスではスピーチ審査も行われる。玲奈さんは自身が考える社会貢献の形について、英語でスピーチを行うことにした。自分にできる社会貢献って何だろう、社会貢献ってそもそもどんなことだろう。答えはすぐには出てこなかった。長所や短所、今までの経験、これからやりたいこと……。じっくりと時間をかけて自分の心と向き合うことで、おぼろげながら伝えたいメッセージが浮かんできた。

「もっと人の役に立ちたいと思ったとき、すぐに何かをはじめることが正解とは限らない。まずは自分をよく理解することが大切なのかもしれません。人と比べて一喜一憂するのではなく、自分にとって何が必要で、いかに成長していくか。それが一番大事なことだと、ミズ・ファビュラスへの挑戦を通して気づくことができました」

バレエを通じていつまでも美しい女性を増やしたい

▲スピーチ審査ではバレエを通した社会貢献を訴え、20代部門のグランプリを獲得

日本大会当日の玲奈さんは、美しいデコルテの引き立つ白のドレス姿。妖精のように清らかな美貌に、指先まで魅せるバレエ仕込みのウォーキング。スピーチではバレエを通した社会貢献について訴えた。内容もさることながら、ネイティブと見まごう流暢な英語でも圧倒的な存在感を放っていた。結果は見事、20代部門のグランプリを受賞。固唾を飲んで見守っていた地元の人たちも、大いにわいた。

「思いきってやってみて、本当によかった。家族や友だち、同僚、生徒さん。このグランプリは、応援してくれたすべての人たちのものだと思います。そして、どんなときも明るさと思いやりを忘れないファイナリストのみなさんといっしょだったからこそ、ここまでたどり着けた。感謝の気持ちでいっぱいです」

玲奈さんは大会後の2021年1月、個人スタジオ「Cross2 Studio」を立ち上げた。同スタジオでは、50歳以上の女性を対象にした大人向けのレッスンも行っている。ミズ・ファビュラスで出会ったコンテスタントたちのように、いくつになっても外見も内面も美しく自信あふれる女性を増やしたい。コンテストをへて、彼女の思いはよりいっそう強くなった。

「人生100年といわれる時代。大人世代の女性のみなさんに、もっとバレエをたのしんでもらいたいんです。年齢や周りの目にとらわれず、世界を股にかけて活躍してほしい。これってミセス・インターナショナル/ミズ・ファビュラスと同じ。コンテストに出場してこんなにも心打たれたのは、目指すところが共通していたからなんですね」

自分が一生かけてやり抜きたいことは何なのか。そういう人生の軸を決めるのは、思う以上にむずかしい。22歳にしてバレエという軸をもち、それを世の中のために生かそうとまで考えている玲奈さんの早熟さには、驚くばかりだ。可憐な容姿とは裏腹に、ぶれない芯の強さをもつ玲奈さん。彼女がこれからどんな挑戦をし、何を達成していくのかが楽しみだ。

伊藤 桜子 Sakurako Ito

ローズ・クルセイダーズ/一般社団法人国際女性支援協会 代表理事外資系航空会社の客室乗務員を経て、外資系投資銀行勤務。Best Body Japan 日本大会グランプリ(クイーン)/ミセス・インターナショナル2015 日本代表を務めた経験を持つ。みずからの経験をもとに、年齢や立場、国籍などの枠にとらわれない女性の美を追求する。

編集協力/株式会社Tokyo Edit

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COLUMNIST

伊藤 桜子