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内側から身体を整えてキレイに! ヨガインストラクターが教える「骨格リセットヨガ」実践法

2021.08.02

2021.08.02

内側から身体を整えてキレイに! ヨガインストラクターが教える「骨格リセットヨガ」実践法

食事制限をしても、走っても筋トレしても、いっこうにやせない……。そう悩んでいる人は、骨格に問題があるのかも。生活のなかで、骨格は知らず知らずのうちにゆがんでいるのだ。それを正さずにトレーニングやエクササイズをすると筋肉が偏ってつき、アンバランスなスタイルになってしまう。この記事ではヨガインストラクターとして活動する筆者が、筋肉をほぐして骨格を本来の位置に整える「骨格リセットヨガ」の実践法をお伝えする。トレーニングやエクササイズをする前に、ぜひ取り入れてみてほしい。

まずは鏡の前に立ち、自分の身体を知る

「骨格リセットヨガ」の前にしてほしいのが、今の自分の身体を知ることだ。身体の大きさ、筋肉や脂肪のつき方、背中や肩、脚のライン……。同じように見えても、よく見ると1人ひとり違っている。コツは身体を横から見て、耳、肩、腰骨、膝、外くるぶしをまっすぐの軸にして、自分がコンプレックスを感じている部分に注目してみることだ。

たとえば、ふともも(大腿四頭筋)が太いと悩んでいる人は多いだろう。そういう人は、骨盤が前に傾いていることが多い。その結果、前傾した骨盤とのバランスを取るように腰を反らすのがクセになり、ふとももから老廃物を流す道であるそけい部の流れが悪くなってしまっているのだ。女性は男性に比べて骨盤が動きやすいうえ、ヒールを履くことでつま先重心になりやすく、骨盤が前傾している人が多い。これがふとももを太くするほか、おしりを大きく見せたり、いわゆる“ぽっこりお腹”をつくる原因にもなる。ほかにも、つま先に重心をおくのがクセになっているために、ふとももの前側に過度な負担がかかっていることもある。

おしりが大きいのが気になる人は、内ももの筋肉が衰えているためにX脚やO脚になっていたり、足の重心が小指側に偏っている可能性もある。こういう人は、おしり周りの骨格や筋肉が全体的にアンバランスになっているため、ヒップラインが四角く不自然である場合も多い。ほかにも猫背に悩んでいるなら、肩がラインよりも内側に入る“巻き肩”になっていないか、頭が前に出ることで頭部の重みが背中に集中し、肩と背中をつなぐ僧帽(そうぼう)筋が盛り上がっていないかをチェックしてみよう。

また、人はまっすぐ立っているようでも、必ず左右どちらかに体重を乗せるクセがあるものだ。右半身と左半身の身体のラインや筋肉のつき方をよく観察すると、自分は左右どちらに体重を乗せているのかがわかってくる。身体の変化を見逃さないためにも、ぜひ把握しておきたいところだ。

鏡の前で自分の身体を見ていると、コンプレックスばかりに目がいって落ち込んでしまう人もいるかもしれない。でも、大事なのは「ありのままの身体を受け入れてあげること」。長所はもちろん、短所も愛すべきパーツだと捉えることが大切だ。太かったり形の悪いパーツは、普段の生活のなかで大きな負担をかけているのかもしれない。自分の身体をいたわり、日々の負担から少しでも解放してあげる気持ちで、身体チェックをしてみよう。そうすれば骨格が整う頃には、長年のコンプレックスまで消えているかもしれない。

理想の骨格に整える「骨格リセットヨガ」の5ステップ

身体のチェックが終わったら、いよいよ「骨格リセットヨガ」をはじめよう。ここでは初心者でも実践しやすく、全身への効果も高い5つのポーズを紹介する。コンプレックスのある部分やラインが崩れている部分を意識して、集中的に伸ばすようにするといい。

ヨガはゆっくりとした動きなので、寝る前に行うのもいい。身体がリセットされ、質のよい眠りにつながる。身体を締め付けず、動きやすい服装を選ぼう。ポーズをとる時間はひとつのアーサナ(ポーズ)につき4〜5呼吸が目安だが、少しでも痛さや心地悪さを感じたらすぐに中断して。ヨガは自分で自分をしあわせにするためのツール。身体がよろこぶ時間、回数を最優先しよう。

1.股関節をやわらかくする「クールマーサナ(亀のポーズ)」

まずは骨盤まわりを中心に、下半身をほぐしていく。体育座りからひざを左右に広げ、両足の裏を合わせる。ひざは浮いていてもOK。つぎにゆっくりと息を吸い込み、両手を前についたら、吐く息とともに前にたおれて前屈の姿勢になる。肩の力を抜いて、身体の重みを感じながら前屈を深めていこう。力を入れて無理に身体を倒すのではなく、重みで自然に前へ倒れていくイメージで。目線は床に落とし、おでこがつきそうならついても大丈夫。

2.詰まりやすいそけい部を流す「アンジャネアーサナ(三日月のポーズ)」

腰から上半身にかけての曲線が、三日月の弧を思わせるポーズ。四つん這いになりおしりを上げたら、右足を両手の間に大きく踏み出そう。目線は斜め上を見て。その後息をゆっくり吐きながら、ひざから足先までを床に添わせるようにおろす。息を吐ききったら、指で床を押した勢いで上半身を起こし、バンザイをするように両手を上に。このとき、左足のそけい部とふとももの前側、胸を伸ばすようにイメージし、目線は両手の親指あたりに向ける。上半身が前に倒れてしまうときは、お尻を少し持ち上げてお腹に力を入れるとバランスが取りやすい。そのまま息を吐きながら、おしりをゆっくりと落としていく。反対側も同様に。

3.固まりやすいお尻の筋肉を伸ばす「半分のカポタアーサナ(鳩のポーズ)」

まず四つん這いになり、つま先を内側に入れて右ひざを両手のあいだに置く。このとき、右脚のすねは横一文字を目指して、痛くない程度に開こう。左脚はうしろにまっすぐ伸ばして手を前に歩かせながら、吐く息とともに上半身を前に倒していく。おしりと骨盤まわりの筋肉を意識して伸ばそう。伸びきったと感じたら息を吸いながら上半身を起こし、反対側も同様に。

4.背中をゆるめる「キャットアンドカウ(猫と牛)のポーズ」

下半身がほぐれたら、つぎは上半身。背中を猫のように丸めたり牛のように反らしたりすることで、筋肉をゆるめるポーズだ。まず四つん這いになり、ひざから下は床に添わせるようにラクにする。背中は床と平行になるように。鼻から息を吸い込み、吐く息とともに背中を丸めていく。おへそをのぞき込むようにお腹を「ギューッ」と締めていくようなイメージで。息を吐ききったら背中をゆるめ、徐々に最初の四つん這いに戻っていこう。

また鼻から息を吸い込みながら、胸を引き上げる。背中を少しずつ反らしていき、視線は斜め上を見るように。このとき腰だけを不自然に反らしたり、肩や首をすくめたりしないように気をつけながら、同じ動きを数回くり返してみよう。背骨や肩甲骨、骨盤まわりが柔軟になって上半身がゆるみ、正しい姿勢を取りやすくなる。

5.猫背を改善する「ウティタビダーラアーサナ(猫伸びのポーズ)」

ひざと手を腰幅くらいに開いて、四つん這いになる。そのまま息を吐きながら両手を前に伸ばし、胸を床に近づけていこう。おでこはいったん床につけて、できる人はおでこをアゴに変えて、目線を前に向けてみて。そのまま胸とわき、お腹をじんわりと伸ばしていく。そのままの体勢で4〜5回呼吸を繰り返してみよう。負担がかかりやすい肩甲骨や肩まわりがほぐれ、猫背の改善にもつながるポーズだ。

美しい「座位」で骨格リセットの仕上げを

全身がほぐれたら、仕上げにあぐらの姿勢を取り、正しい姿勢を身体に記憶させよう。たかがあぐら、されどあぐら。正しくあぐらをかけている人は、意外にも少ない。大事なのは、骨盤をまっすぐにすることだ。まずおへその前で両かかとをそろえ、座骨(おしりの一番下にある骨)をしっかりと床につける。手のひらをおしりの下に入れてみると、おしりの骨が刺さるような感覚の場所がないだろうか。それが正しい座位ができているサインだ。

つぎに骨盤を垂直に立て、お腹の奥を引き上げるようにイメージする。上半身は、まっすぐに立った骨盤の上に背骨を乗せるように。頭のてっぺんに糸がついていて、天井からつるされているイメージを持つといい。アゴを軽く引いて、首のうしろを伸ばすように。みぞおちを締めて、左右の肩甲骨をギュッと寄せてみよう。腰が反りやすい人や、股関節が固くてうまくあぐらをかけない人は、イスに座ってもいい。骨盤がまっすぐになる感覚をつかめるまで、焦らずに練習を続けてほしい。

著者紹介

嶋田 ゆかり Yukari Shimada ● ヨガインストラクター/タレント・モデル。都内スタジオを拠点として個人や企業向けのヨガレッスンを主催するかたわら、タレント・モデルとして各種メディアに出演。介護施設の入所者に向けて身体への負担が少ない「椅子ヨガ」のレッスンも精力的に行い、すべての人が生き生きと年齢を重ねられる社会の実現を目指している。アライブエンタテイメント所属。

編集協力/株式会社Tokyo Edit

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COLUMNIST

嶋田 ゆかり