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書くだけで“出会い力”がアップ! 婚活にきく「エモーションノート」の作り方

2021.10.22

2021.10.23

書くだけで“出会い力”がアップ! 婚活にきく「エモーションノート」の作り方

婚活に励んでいるのにうまくいかないと悩む女性は多い。結婚相談所を運営する宇野夕奈さんによると、その原因は「思い込み」にあるという。本記事ではその理由とともに、思い込みを改善して理想の出会いを引き寄せる「エモーションノート」の書き方を紹介する。

彼といつもうまくいかない原因は「思い込み」

結婚したいのに相手が見つからない、彼との関係がうまく進展しない。結婚相談所を運営していると、日常的に受ける相談だ。たくさんの女性たちの相談に乗るうちに、こうした悩みを抱えている人には共通点があることに気がついた。それは「私は愛されない」という強い思い込みがあることだ。

この思い込みは幼少期の育ちの過程で刻み込まれる。思い込みをもったまま成長すると、その後の学校生活、親からのしつけ、社会生活などさまざまな場面で「愛されない」経験を積み重ねていって(いるように感じて)しまう。その結果、大人になってもみずから「愛されない」ような言動をとってしまうようになるのだ。そうすると当然、パートナーの愛情も薄れていき、本当に「愛されない」事態を招いてしまう。

パートナーの態度が少しそっけないだけで、不安で仕方がなくなる人はいないだろうか。そういう人は、この思い込みに捉われている可能性が高い。パートナーはただ仕事で疲れていただけかもしれないのに、「嫌われたんだ」と思い込んで不安になる。その結果、ネガティブなメールや電話を連発してしまい、うっとうしがられる。そんなことが続くうち、彼もうんざりしてきて関係が悪くなってくる……。こんな悲しいパターンは驚くほど多い。

最初は思い込みだった「愛されない」が現実になる。そうすると「やっぱり私は愛されないんだ」とますます思い込みが激しくなるという悪循環に陥っていく。女性は男性に比べて共感力や直感力、協調性、自制心の度合いが高いが、それがマイナスに働くとパートナーとの関係悪化を招く。思考はぐちゃぐちゃになり、不安に苛まれる。ネガティブな感情に振り回されてストレスが溜まる。優柔不断でなかなか物事を決断できない自分がイヤになり、さらに自信を失っていくのだ。

この悪循環を断ち切るには、思い込みを書き換えることだ。「私は愛されない」を「私は愛されている」に書き換える。「愛されている」がベースにあれば、パートナーの態度が多少そっけなくても「ああ、疲れているのね」と流せるはずだ。パートナーも、ありのままの自分を受け入れてくれるあなたに信頼を寄せるようになる。先程の例がウソのような好循環だ。

「愛されている」がベースにあるというのは、言い換えれば自分に自信があるということ。自分で自分を愛せているから、パートナーがいてもいなくてもしあわせでいられる状態だ。心に余裕ができて、物事のプラスの面に注目できるようになる。

自分を愛せるようになると「自分は尊い存在、価値ある存在なんだ」という前提で過ごせる。「私のことをしあわせにしてよ」という傲慢さがなくなり、周りからも愛される。そういう人がご縁に恵まれたり、結婚したいと思われるのは自然なこと。よいパートナーシップを築きたければ相手に期待するよりも先に自分と向き合い、自分で自分をしあわせにすることが大切なのだ。

等身大の自信がつく「エモーションノート」の書き方

それでは、自信をつけるにはどうすればいいのだろうか。やりがちな失敗例は、むやみに資格を取ったり習いごとをはじめたりといった、表面的な“自分磨き”に終始することだ。資格やスキルの数が増えても、それが自分の求めていないものならまったく意味がない。

大事なのは、自分が本当に求めているものを知ることだ。簡単なようだが、これが意外とむずかしい。個性を押し出すより周囲に合わせることをよしとする教育や社会の風潮によって、今の日本では「心」ではなく「頭」で考えるのがクセになっている人が多いからだ。

こうした人に「あなたのやりたいことは何ですか?」と聞いても、本当にその人がやりたいことを答えてくれることはほとんどない。無意識のうちに、社会が求める答えを出してしまうのだ。それを実行したところで当然その人の心は満たされず、自信にはつながらない。

そこで試してほしいのが「エモーションノート」を作ることだ。これは、自分が感情・感覚レベルで求めているものを知るためのノート。1日1回書くだけで、社会の風潮や周囲の意見、世間体を取り払った「本来の自分」を知り、それを受け入れることで等身大の自信がついてくる。

1.五感と体感を使って「本当に好きなものリスト」を作る

お気に入りのノートを1冊用意したら、まずは「頭(思考)」で考えるクセをなくすことからはじめよう。思考からもっとも遠いところにあるのは、五感や体感覚だ。ノートの一番最初のページに「視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚・感覚(空気感)」と箇条書きにし、それぞれについて自分が好きなものを、下記のように書き出してみよう。

  • 視覚:くすんだ色や淡い色、角ばったシャープな形、キラキラとした光を感じるもの ・聴覚:ゆったりとしたテンポの音楽、風の音や動物の泣き声
  • 嗅覚:柑橘系やグリーン系の香り、癒しや落ち着きを感じる香り
  • 味覚:甘みや酸味、出汁の味わい
  • 触覚:ふわふわとしたやわらかいもの、すべすべのもの
  • 感覚(空気感):派手というよりは落ち着きを感じるもの

パッと思い浮かばなかった人は、これまでの生活で「心(感情)」より「頭(思考)」を優先してきた証拠だ。すぐに書けなくてもいいので、日常を過ごしながら「私ってどんなものが好きだったかな?」と自分に問いかけてみよう。するとふとした瞬間に「あっ、こういうの好きかも」と思うものが出てくるはずだ。それらを根気よくノートに書き留めていこう。そしてリストが完成したら何かを選ぶときなどに見返し、判断を助けてもらう。何度か繰り返しているうちに、リストを見なくても「本当に好きなもの」を選べるようになってくるだろう。

2.1日1回「エモーションノート」を書く

つぎはいよいよメインである「エモーションノート」の書き方だ。これも「本当に好きなものリスト」と同じく自分の感覚・感情を知るためのもので、1日1回日記のように書けばいい。ただし、書き方には少しコツがある。書きはじめる前に、目立つ色のマーカーを準備しよう。

まずは通常の日記のように、起きた出来事を書く。全部書けたら読み返し、自分の感情・感覚が書かれている箇所にマーカーを引いていくのだ。マーカーを引く箇所が少なければ、やはり「心」ではなく「頭」で考えすぎている証拠。そのときの自分が何を感じていたかを思い返し、書き足していこう。

自分の感情・感覚をあらわすのに慣れていないと、適切な言葉が出てこないこともある。そんなときはインターネットで辞書を引いたり検索したりして、しっくりくる言葉を見つけてほしい。言語化することで自分の感情・感覚を認識しやすくなり、次に同じような場面に遭遇したとき「心」で判断できるようになる。

出てくるのはポジティブな感情ばかりとは限らない。怒りや妬み、寂しさなどネガティブな感情もあるだろう。どちらの場合でも大事なのは、感情に寄り添ってそのときの自分に共感することだ。「よかったね、これまでがんばってきたからだね」「つらかったね。本当はどうしたかったのかな? 〇〇さんにどうしてほしかった?」というように、自分の感情を奥深くまで掘り起こすように意識してみよう。

エモーションノートを書くのが習慣になれば、感情のセンサーもおのずと敏感になる。無意識のうちに「頭」で決めていた言動を「心」で決められるようになり、自分で自分を満たしてあげられるようになる。そうすると周囲に気配りをしたり、少しくらいイヤなことがあっても受け流せる心の余裕ができてくる。「なんだか雰囲気がやわらかくなったね」「いつも楽しそうで素敵」と言われることが増えたら、エモーションノートの効果がでてきているサインだ。

素敵な出会いは「1人でも幸せ」な女性に訪れる

自分を大切にできるようになると、最高のパートナーとも出会えるようになる。日頃から心と向き合って「自分はどうしたいか?」を基準に生きていると、自分本来の魅力があふれてくる。するとお互いがパズルのピースのようにピッタリと合うパートナーがあらわれるのだ。

しかし、これができずに恋愛・結婚で悩む女性は多い。よくある失敗が、巷の恋愛本にあるようないわゆる「モテ」を目指してしまうことだ。誰かが作った「素敵な女性」をいくら演じても、あなたらしさは失われていくばかり。引き寄せられてくるのも、あなた自身ではなくあなたの演じる“役柄”が好きな男性だ。あなたが演じるのに疲れて仮面を取った瞬間、その関係はうまくいかなくなってしまうだろう。

婚活のゴールは結婚ではない。自分と向き合って自分を満たし、「一人でも幸せ」だと思えるようになることなのだ。今現在、自信がなくても大丈夫。自信をつけようとがんばったりもしなくていい。心の声に耳を傾けて、いいところも悪いところもひっくるめたありのままの自分を認めてあげよう。そうすれば自立しながらもしなやかで肩肘張らない女性になれる。そんな素敵な女性が同じく素敵なパートナーに恵まれるのは、当然のことなのだ。

未来への扉は、あなたの目の前にある。それを開けられるのは、他の誰でもないあなた自身だ。必要なのは素顔の自分と向き合う覚悟だけ。勇気を出してその一歩を踏み出してみよう。扉の向こうには今よりもっと輝く世界が広がっているはずだ。

著者紹介

宇野夕奈 Yuna Uno ● 株式会社T.Y.S代表取締役。東洋大学法科大学院修了後、大手メーカーの法務部門に入社。その後独立し、2018年から現職。セミナー研修事業、コーチ・カウンセリング事業、起業支援事業を展開する。一方で結婚をゴールにしない結婚相談所むすびを運営する。プライベートでは一児の母。趣味は神社などのパワースポット巡り。

編集協力/株式会社Tokyo Edit

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COLUMNIST

宇野 夕奈