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ゴミ拾いは自分と向き合う機会。ミスコン出場者たちが地域の清掃ボランティアを続ける理由

2022.11.21

2022.11.20

ゴミ拾いは自分と向き合う機会。ミスコン出場者たちが地域の清掃ボランティアを続ける理由

ミセスのためのコンテスト「ミセス・インターナショナル/ミズ・ファビュラス」ナショナルディレクターの伊藤 桜子です。社会貢献を理念とする当コンテストでは、その一貫として出場者たちといっしょに地域での清掃活動に取り組んでいます。この記事では、清掃活動に込める思いとその社会的意義についてまとめました。

街が汚れても自分には関係ない」は本当?

最近参加させていただいているのは、「きれいな街は、人の心もきれいにする」をコンセプトに誕生したゴミ拾いプロジェクト・グリーンバード。原宿や表参道、渋谷、北新地をはじめ日本全国のさまざまな街でボランティアでの清掃活動を行う団体です。

ゴミのなかでも特に多かったのが、タバコの吸い殻。分煙への意識が高まっている昨今、自治体は公共の場所での喫煙を禁止したり、喫煙所を設けたりしています。こんな時代に多くの人が行き交う路上での喫煙なんて、もってのほか。それにも関わらず、道路には驚くほどたくさんの吸い殻が落ちていました。私たちがゴミ拾いをしているそのかたわらで、スパスパとタバコを吸う人までいたほどです。

植木の中など見えにくい場所に隠されているゴミも目立ちました。ポイ捨てもこっそりすれば、自分がやったとは気づかれない。ただ通り過ぎるだけの街、道が汚れたところで、自分には関係ない。ゴミをひとつひとつ拾っていると、ポイ捨てをする人たちのそんな気持ちが伝わってくるようでした。実際にボランティアの清掃活動について「税金を払っているわれわれが街の掃除をする必要はない」と批判する人もいます。でも、本当にそうでしょうか。

ゴミ拾いはコンテストの準備と似ている

私たちが出すゴミの収集・処理は、たしかに税金によってまかなわれています。ゴミを細かく分別したり、決まった曜日・場所に出すのをおっくうに感じる人もいるかもしれません。でも、地域中のゴミを収集・処理するのは本当に大変なこと。作業が煩雑化・長期化するほどコストも増え、税金が余分に使われてしまいます。だからルールを作ることで作業を効率化し、税金を有効活用しようとしているのです。

そのうえ街のあちらこちらにゴミが散らばっていたら、どうでしょうか。ゴミを収集・処理する側からすれば、いつどこにどんなゴミが落ちているのかもわかりません。こうしたゴミのすべてを把握して、すみずみまで清掃するとなると、想像もできないほど莫大な税金が使われるはずです。そうなれば、子育て支援や教育、お年寄りや心身の不自由な人、経済的に困窮している人への福祉など、必要なところに税金を使えなくなってくるでしょう。

清掃活動には税金の節約にとどまらず、活動を見かけた人に「自分たちの手で街をキレイに保とう」「1人ひとりがポイ捨てをやめよう」という当事者意識を抱かせるきっかけになると感じています。私たちのような女性が活動に参加することで、同じ女性たちに影響を与えることもあるでしょう。ゴミを減らそうという意識は、モノを大切にするライフスタイルにもつながってくるはずです。

ゴミ拾いは自分と社会とのつながりを再認識し、社会で生きる1人としてふさわしいあり方を見直す機会。その点ではスピーチやウォーキング、パフォーマンスの準備を通して「自分らしさ」を追求するコンテストと似ています。私がみずからコンテスタントたちとともに地域の清掃ボランティアに参加しつづけるのは、コンテストが終わってもその旅を終えてほしくないから。これからコンテストに挑戦する出場者たちにもこの精神を引き継ぎ、長く続けていきたいと思っています。

著者紹介

伊藤 桜子 Sakurako ITO ● 一般社団法人国際女性支援協会(ブランド名:ローズ・クルセイダーズ)代表理事。外資系航空会社・投資銀行勤務を経て、2018年より現職。同協会が運営するコンテストブランド「ミセス・インターナショナル」「ミズ・ファビュラス」「ミズ・ワールドユニバーサル」「ミス・プリティーン/ミス・ティーン インターナショナル」「クイーン・オブ ザ・ワールド」「ホープ・ジャーニー インターナショナル」「ミスター・フェニックス」「ミスターナショナルユニバース」のナショナルディレクターも務める。すべての活動に共通する理念は、社会貢献。みずからの経験をもとに、年齢や立場、国籍などの枠にとらわれない女性の美を追求する。

編集協力/株式会社Tokyo Edit

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COLUMNIST

伊藤 桜子