私は「ミラン」という犬といっしょに暮らしています。ミランは6歳のポメラニアンで、今ではすっかりわが家の一員。ミランが来るまでは仕事や友人との食事で外出がちだった私も、いっしょに過ごす時間を作るために帰宅することが多くなりました。この記事ではミランとのこれまでの思い出を振り返りながら、犬のいる生活の魅力をお伝えしたいと思います。
猫を飼うはずだったわが家に突如やってきたミラン
ミランを飼いはじめたきっかけは、パートナーである孝くんでした。といっても孝くんははじめ犬ではなく、あるペットショップで見た猫を飼いたがっていたんです。私はそこまで乗り気ではありませんでしたが、次の週末、夫に押されるようにペットショップを訪れました。するとなんと、お目当ての猫はひと足先に別の家族に飼われてしまっていたんです。
代わりにケージに入っていたのが、こちらを食い入るように見つめるミラン。ミランと目が合った瞬間、身体じゅうを電気のようなものが走るのを感じました。きっと運命だったんだと思います。あれほど猫を飼いたいと思っていたのがウソのようにすんなりと、「この子はうちの家族になるに違いない」と思えました。
その予感は見事に的中。うちに来てそう時間が経たないうちに、ミランはすっかり孝くんと私に懐いていました。日課である朝のウォーキングには、ミランも同行。私が出張から帰ると「ママ、ママ」というように、うれしそうにしっぽを振って出迎えてくれます。
音が苦手なミランは、家族の記念写真撮影でも周りの音が気になって、できあがるのは明後日の方向を向いた写真ばかり。でもそんなところもたまらなく愛らしく、わが家に流れる空気をよりあたたかくしてくれます。
散歩やエサやりなどをしているうちに、生活も規則正しくなりました。ミランにはポメラニアン特有の脱毛症があるのですが、その改善のために酵素を取り入れたり、ローフードの考え方をもとにして野菜や果物、亜麻仁油などでペットフードを自作したりと、犬の健康面に関する知識もずいぶん増えたと思います。
「犬を飼っている」という共通点から、散歩を通してふだんは知り合えないような方と仲良くなれるのもいいですね。わが家には子どもがいませんが、そのぶんミランが1人娘のような感覚。ミランがいつまでも安心して暮らせるようにと、健康にも人一倍気をつけるようになりました。
ペットとの暮らしに伴う「責任と覚悟」
ペットというのは本当にかわいらしく、ただそこにいるだけで癒される存在。それは間違いのないことですが、飼うときには覚悟も必要です。ペットとの生活は楽しいばかりではなく、大変なこともたくさんあるからです。
特にさみしがりやで好奇心旺盛な犬は、1日6時間以上は1人にできないし、ケージに入れっぱなしにするのもNG。身体のお手入れのほか、人間と快適に暮らすにはしつけも必要ですし、年を重ねれば病気や介護の問題にも直面します。ミランも例外ではなく、持病による定期的な通院は欠かせません。ペットを迎えるのは「本当に飼える状況かな」「どんなことがあっても一生お世話できるかな」と自問してからにしてほしいのです。
こうした覚悟のないままペットを飼い始めた人たちは、「忙しいから」「家を汚すから」「子どもが飽きたから」「ペットが病気になったから」というような身勝手な理由でペットを捨ててしまいます。捨てられたペットたちは保健所や動物愛護センターに収容されますが、引き取り手があらわれなければ殺処分される運命。一度飼ったペットを無責任に捨てるのは、その子の命を奪うのと同じことなのです。ペットを迎えるときは一時の感情に流されず、ご家族やパートナーにも相談のうえ、しっかりと考えてからにしてくださいね。
著者紹介
伊藤 桜子 Sakurako ITO ● 一般社団法人国際女性支援協会(ブランド名:ローズ・クルセイダーズ)代表理事。外資系航空会社・投資銀行勤務を経て、2018年より現職。同協会が運営するコンテストブランド「ミセス・インターナショナル」「ミズ・ファビュラス」「ミズ・ワールドユニバーサル」「HOPE ページェント」「ミス・プリティーン/ミス・ティーン インターナショナル」のナショナルディレクターも務める。すべての活動に共通する理念は、社会貢献。みずからの経験をもとに、年齢や立場、国籍などの枠にとらわれない女性の美を追求する。
編集協力/株式会社Tokyo Edit